住民税と国民健康保険税の計算

所得税は申告納税方式、住民税や国民健康保険税は賦課課税方式です。

個人事業者は所得税の確定申告書を提出しますが、その提出した内容に基づいて住民税と国民健康保険税が計算されますので、実質的には申告納税方式のようなものだと思っています。

住民税の計算

税務ソフトは所得税の金額を計算しますが、住民税の金額は正確には計算しません。所得税の計算方法はどこの市町村に住んでいても同じですが、住民税の計算方法は市町村によって異なっているため、税務ソフトはそこまで対応できないからだと考えられます。(市町村によって異なっているとは言っても実際にはほとんど同じで、細かい部分が異なっているだけなのではないか、と感じています。)

そしてこの住民税が、例えば市町村が行っている、学校へ通っているこどもに対する補助を受けることができるかどうかの判定などに使われることが多いので、住民税の計算を求められることがあります。そのような場合は(税務ソフトでは計算できないので)自分で住民税を計算しなければならなくなります。

所得税の確定申告書を提出した本人でも、住民税が非課税なのかどうかは判断できないと思います。

住民税の計算方法は、各市町村のホームページに掲載されていたりするのですが、それを読んでもわかりにくいです。所得税の計算方法に似ている部分もあるのですが、所得税よりも複雑です。また、市町村の補助を受けるための申請書の提出が確定申告の申告期限前であることもあるので、その時期に住民税の課税・非課税の判定をしなければならないのはちょっと難しいな、と思います。

国民健康保険税の計算

国民健康保険税は、国民健康保険「料」と呼んだりしていましたが、地方税法に規定がありますのでやはり「税」なのだと思います。「税」ですが社会保険料控除の対象です。

国民健康保険税の計算方法は、住民税以上に市町村によってまちまちな印象です。市町村独自の軽減制度や減免制度があるからです。

国民健康保険税には所得割・均等割・平等割というものがあり、それぞれに医療分・支援金分・介護分を計算します。以前は「資産割」というものもありましたが、最近は廃止の方向にあるようです。

住民税と国民健康保険税の答え合わせ

確定申告の時期に住民税と国民健康保険税の計算をしたとしても、それが正しいのかどうかを確認できるのはそれぞれの通知が届いたときになるので、6月か7月になります。

住民税の通知書を見ても、自分が行ったふるさと納税の金額が適切であったかどうかを確認するのは難しいのではないか、と思います。

個人事業者の税金について

個人事業者の税金は所得税だけではなくて、その他に事業税、住民税、国民健康保険税があります。税理士としてはこれらすべてについて納税予定を伝えることが理想的だと思います。なぜならこれらは名前は違っても全部税金ですし、納税者から見れば同じように納めなければならないものだからです。所得税よりも住民税の方が高いことも普通にあります。

しかし、所得税と事業税は計算できるとして住民税と国民健康保険税を計算するのは難易度が高いです。これらをもっと簡単に計算できるようになれば良いのに、と考えています。

 

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