仕事の効率化にはいろいろな方法があると思いますが、その一つは作業にかかる時間を短縮することだと思います。
会計・税務に関する仕事をする場合には、
- 会計ソフトへのデータ入力にかかる時間を短縮する
- 会計ソフトのデータから帳票・管理資料を作成する時間を短縮する
ことが必要になります。
それによって生み出された時間を現状の把握や今後の目標の作成に充てることができます。
データの入力作業、帳票・管理資料の作成の作業は単なる作業であってそれ自体にはあまり価値がないと思いますが、それに時間がかかりすぎると肝心の「考える」時間が足らなくなってしまいます。
会計ソフトへのデータ入力にかかる時間を短縮する
データが既にある場合にはそのデータを加工
パソコンでデータ入力するのに別の画面で数字を確認したり、紙に印刷された数字を見たりするのは
- 時間がかかる
- 疲れる
- 入力ミスをする可能性が高く、ミスが無いかどうかを検証するのにも時間がかかる
ということがありますので、既に何らかのデータがあるものについてはそのデータをExcelのマクロで加工して会計ソフトへの入力用データを作成すれば、作業時間の大幅な短縮が見込めます。(ほとんどの会計ソフトではCSVファイルでのデータ取込みに対応していると思われます。)
例としては
- 預金通帳を見ながらデータ入力を行う代わりに、銀行の入出金明細のデータから会計ソフトへの入力用データを作成する
- 小売店の売上データを入力するのに、紙のレシートを見ながらデータ入力を行う代わりに、レジから取り出した売上のデータから会計ソフトへの入力用データを作成する
- クレジットカードの利用明細から会計ソフトへの入力用データを作成する
- 給与明細をExcelで作成している場合、そのExcelのファイルから会計ソフトへの入力用データを作成する
などが挙げられます。
データがない場合にはExcelでデータを作成
会計ソフトは複式簿記の帳簿を作成するには便利であり、無くてはならないものですが、データの入力作業には時間がかかります。
その理由は、
- データ入力がキーボード操作だけではできず、キーボードとマウスを併用しなければならないこと
- データの削除や複製の操作が煩雑なこと
にあると思います。
会計ソフトのデータに必要な、日付・勘定科目・摘要・金額・消費税の税区分・消費税の税率を入力するのであれば、会計ソフトよりもExcelでデータ入力用のワークシートを作成した方が早く入力できます。
入力したデータをExcelのマクロを使って会計ソフトの入力用データに変換し、会計ソフトに取り込むようにすれば作業時間が大幅に短縮できます。
また、この方法を使えば一つの会計ソフトに入力するデータを複数人で分担して作成することも可能になりますので会計事務所で顧問先の会計データを入力する場合等には便利ではないでしょうか。
例としては
- 現金・小口現金の出金(経費の使用)のデータ入力
- 売掛金・買掛金の発生のデータ入力
などが挙げられます。
現金・小口現金の出金のデータ入力をExcelで行う場合には、消費税の税率ごとの消費税額を入力画面上で確認することができて大変便利です。(領収書に記載されている消費税額と入力したデータの消費税額が一致しているかどうかを簡単に確認できます。)
売掛金・買掛金のデータ入力をExcelで行う場合には会計ソフトの場合のように売掛先・買掛先ごとに画面を変更して入力する必要が無いので入力が早くかつ簡単になります。
会計ソフトのデータから帳票・管理資料を作成する時間を短縮する
帳票の作成
会計ソフトから帳票を出力する場合には、
- 自分が欲しい様式の帳票が用意されていないことがある
- 紙で出力しているため、出力した帳票のデータを利用して別の資料を作成することができない
ということになります。
会計ソフトからデータを出力してそのデータを基にしてExcelで帳票を作成すれば、自分の欲しい様式で、かつデータの二次的な利用ができるものが作成できます。
管理資料の作成
管理資料の例としては、予算に対する実績の進捗管理の表があると思いますが、Excelで一から作成しようとする場合、使用されている勘定科目を手作業で入力して表の様式から作成しなければなりません。
面倒なだけの作業ですが、会計ソフトから出力したデータを基に表を作成すれば、そのような無駄な作業はほとんど無くすことができます。月ごとの実績の金額もデータから集計することができます。
また従業員に給与を支払っている事業者であれば半年に1回、源泉所得税の納付書を作成しなければなりませんが、人員・支給額・税額も給与明細のデータや会計ソフトから出力したデータを元にして集計することができます。
同様に、労働保険年度更新申告書の作成に必要な「確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表」における人員や金額も給与明細のデータを元にして集計することができます。
仕事の進め方
以下のような順序で進めていくことになります。
- 時間がかかっている作業の内容を聞き取りします
- Excelを使った作業時間の短縮方法を考え、提案します
- 料金の見積もりをします
- Excelで仕組み(ワークシート、マクロ)を作成します
- 仕組みの内容をお客様に説明します
5.の内容の説明を重視したいと思っています。
私はシステム開発会社ではないため、Excelのシステムを作成してお客様に納品し、その後の保守も請け負う、というかたちは取れないと考えています。
お客様側でExcelの仕組みを理解し、必要に応じて内容を修正し、継続して使用していただかなくてはなりません。
そのため、Excelで仕組みを作成する際にもその内容についてお客様に理解していただき、その後のExcelの利用に広がりを持っていただけるようなかたちにしたいと思っています。
個人(担当者)向けであり、複数人(組織)向けではないこと
Excelを使った作業時間の短縮は、個人向けのものであり組織向けではないと考えています。その理由は、Excelの複雑な関数やマクロはそれを理解している人でないと利用できないからです。
先にExcelでデータ入力用のワークシートを作成して複数人で入力作業を行う、という例を挙げましたが、データ入力は複数人で行うことができたとしてもワークシートの修正や変更、マクロを使った会計ソフトへの入力用データの作成はその仕組みをよく理解している人でないとできませんし、その理解を多くの人に求めるのは無理だと思われるからです。
料金
基本料金 1件あたり50,000円(税抜)
難易度が高い場合や作業量が多い場合は相談させていただきます。
訪問が必要な場合は、交通費(ガソリン代又は電車賃の実費)
Excelを使った帳票作成の例
例えばJDLIBEX出納帳や弥生会計のデータから月次推移表を作成しています。
よろしければ下記のページをご覧ください。
(2021/5/20追記)